俳優・今田美桜主演の連続ドラマ『あんぱん』は、独特な人間模様と繊細な感情描写で多くの視聴者の心を掴んでいる。本作は、NHK総合で毎朝放送され、物語は第22週「愛するカタチ」に突入。そこで今回は、この週の出来事を丁寧に振り返り、物語の深層を探ってみよう。
第106回では、嵩(北村匠海)があんぱんを配る太ったおじさんの絵が認められず、深く落ち込む姿が描かれた。しかし、のぶ(今田美桜)はその絵を好ましく思い、嵩を優しく励ます場面が印象的だ。そんな折、メイコ(原菜乃華)との予期せぬ出会いが嵩を不安にさせ、のぶには秘密にするよう頼む。やがてのぶの誕生日、メイコが嵩の口止め話を打ち明け、のぶの心は揺れ動く中、嵩の帰宅が物語を動かす。
第107回では、八木(妻夫木聡)のアイデアで、嵩の詩とイラストを用いた陶器グッズがヒット。その勢いは止まらず追加注文が続いた。しかし、八木の更なる詩の創作要求に対し、のぶは嵩が漫画家であり詩があまり書けないことを擁護する。しかし嵩は言葉が自然に湧き出ると言い、詩の制作を続けていく。八木はその才能に確信を持ち、自らの会社に出版部を設立して嵩に詩集出版を持ちかける。
第108回では、詩集出版の決定に喜びを隠せないのぶ。八木の提案で一風変わった場所で開かれたサイン会は、嵩の心配をよそに大盛況となる。その数日後、メイコが柳井家を訪れ、のぶと嵩のやりとりを羨望の眼差しで見つめる。のぶと蘭子(河合優実)、メイコの三姉妹での語らいによって、それぞれの秘めた願いが次第に明かされる。
第109回では、小学生の中里佳保が祖父の砂男とともに柳井家を訪問。佳保の辛辣な態度にのぶと嵩は戸惑うが、太ったおじさんの絵には関心を示す。佳保は蘭子と映画の話で意気投合し、その裏で砂男は佳保の辛い過去を打ち明ける。嵩の詩集に救われたことへの感謝も語られ、家族の絆と癒しが描かれる。
第110回では、のぶと嵩が新居へ引っ越し、羽多子(江口のりこ)との同居生活が始まる。そんな中、嵩にラジオドラマの脚本依頼が舞い込み、戸惑いながらそれを受け入れる。ある絵にまつわる記憶を頼りに、嵩がつむぎだすストーリーにのぶも引き込まれていく。翌日、嵩の脚本による『やさしいライオン』がラジオから流れ、じんわりと心に染み渡る感動を届ける。