第30回釜山国際映画祭のVision部門に正式選出された話題作、『万事快調<オール・グリーンズ>』の公開日が2026年1月16日に決定した。本作は主演に南沙良と出口夏希を迎え、さらに吉田美月喜、羽村仁成、金子大地といった実力派俳優陣の参加も発表され、期待感が高まっている。
原作は当時21歳の波木銅が執筆した同名小説。ユーモラスかつ独自の視点を持つ文体で、未来が見えない小さな町に住む朴秀美(南)と矢口美流紅(出口)たちの青春を描く。夢を叶えるために彼女たちは、「オール・グリーンズ」という同好会を結成し、禁断の課外活動に挑戦する姿が物語の中心だ。
吉田美月喜は漫画通で毒舌気味の岩隈真子役を演じ、「原作の生き生きとしたキャラクターに強く惹かれ、自分の学生時代にも影響を与えたかもしれない」とコメント。また、釜山映画祭での公式上映に南、出口と共に出席予定だ。
羽村仁成は岩隈の後輩で漫画オタクの藤木漢を演じる。彼は「登場人物たちは決して順風満帆ではなく、衝動的かつ不器用な青春の姿が描かれている。そのリアルな感情が学生をはじめ成人にも深く響くはず」と語り、作品の唯一無二の魅力を強調した。
金子大地は前作『猿楽町で会いましょう』に続き児山隆監督作品へ2度目の出演。物語の鍵を握る佐藤幸一役で、撮影現場の和やかな雰囲気を振り返りながら、多くの人に届く作品になることへの期待を示している。
吉田美月喜の岩隈真子への深い共感や、羽村仁成の繊細な表現、金子大地の確かな演技が絡み合い、観る者に強烈な青春の躍動感と心のざわめきを伝える本作。笑いと切なさが混じる絶妙な描写は、スタッフ・キャスト一丸となって紡ぎ出された、唯一無二の青春叙情詩と言えるだろう。
ファンや映画ファンはもちろん、少年少女の心の揺れ動きを共感しながら観ることで、多層的な魅力を味わえる本作。2026年新春、待望のスクリーン公開に向け、すでに注目が集まっている。